皆さんこんにちは、日本の投資家兼医者のAFURO KENです。
今回は【世界経済を学ぶ】米国株ヘルスケアセクター高配当銘柄!大手製薬会社ファイザー【PFE】という事で、ファイザーに関してお話しさせて頂きたいと思います。
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これから米国株投資を始めたいと言う方は以下の記事に基本事項が書いてあります。
米国株を始めるにあたって避けて通れない、投資の神様ウォーレン・バフェットの生い立ちから現在に関しては以下の記事が参考になります。
ウォーレン・バフェット投資に関する12の原則に関しては以下をご参照下さい。
目次
- ファイザー (PFE)とは
- ファイザー (PFE)の事業内容
- ファイザー (PFE)の株価・配当
- ファイザー (PFE)の今後
- ファイザー (PFE)は買いか?
- ファイザー (PFE) の決算まとめ
- ファイザー (PFE)のまとめ
ファイザー (PFE)とは
ファイザー (Pfizer Inc.; ティッカーコード: PFR) はアメリカ合衆国ニューヨーク州に本社を置く製薬会社であり、チャールズ・ファイザーらにより1849年に設立されました。2013年の世界の医薬品売上高1位を獲得した世界最大手の企業です。日本法人としてはファイザー株式会社があります。
設立当初は寄生虫駆除に用いられる薬剤にアーモンド・トフィーのフレーバーを加えて味を改良、キャンディー状の錠剤を作ったものがヒットするなどし、その他にもホウ砂、ショウノウ、ヨードを始め、10種類以上の化学製品や医薬品の原末を製造しました。
1928年にアレキサンダー・フレミングがペニシリンを発見したのち、ファイザーは何とその量産に成功し、第二次世界大戦で無数の命を救いました。
1950年には自社で開発した広域スペクトル抗生剤であるテラマイシンを初めて自社ブランドで販売することとなりました。
1982年に発売した抗炎症剤フェルデンは年間売上10億ドルを突破し、いわゆるブロックバスターとなりました。
その後も積極的な大型買収を繰り返し、勃起不全薬バイアグラ、高脂血症治療薬リピトール、抗うつ薬ゾロフト、 抗炎症剤セレブレックスなどを主力製品とする巨大企業へと成長しました。
ファイザーは新薬を開発した企業をそのまま買い取ることで開発コストを削減する手法をとり、このような手法は「ファイザーモデル」とも呼ばれています。
ファイザー (PFE)の事業内容
ファイザーは主に医療用医薬品の研究開発、販売を行なっています。
公式ホームページの2018 Financial Reportを元に、ファイザーの業績・事業内容に関して触れていきます。
まずは2018年、2017年、2016年の決算を示します。
年間売上高 (Revenues) は 2018 年には 536 億ドル、純利益 (Net income attributable to Pfizer Inc.) は 111 億ドルと売上高は2%増加しておりますが、純利益はなんと48%の減少となっております。希薄化後 1 株あたり利益 (Earnings per share - dilued) は 1.87 ドルとなっており、2017年と比較して47%も減少しております。
以下に2018年 (左)の事業ごとの利益と2017年 (真ん中)、2016年 (右)との比較を示します。
ファイザーの事業には大きく分けて特許が有効な薬剤を扱うイノベーティブ・ヘルス (Innovative health)事業と特許失効後の薬剤を扱うエッセンシャル・ヘルス (essential health)事業があり、売上高は3:2程度となっております。
まずはイノベーティブ・ヘルス事業です。
希少疾患部門の売上高がやや減少しておりますが、基本的には売上高は増加となっております。
次にエッセンシャル・ヘルス事業です。
こちらは先ほどとは異なりほとんどの部門で売上高が減少しております。
以下に地域ごとの売上高を示します。
ここ3年間で売上高の地域割合に大きな変化はなさそうです。
以下に3年間のキャッシュフローを示します。
フリーキャッシュフローは確保できており、2018年は2017年比で増加しているようです。
ファイザー (PFE)の株価・配当
以下にSBI証券公式ホームページより抜粋したここ10年間のファイザー (PFE)の株価チャートを示します。
2019年に一時下落しておりますが、比較的綺麗な右肩上がりとなっております。
過去には2006年にトルセトラピブの開発中止を受けて大幅に下落したことがありますが、ここ10年は安定していると言えるでしょう。
現時点では1株あたり40.51 ドル (2020年1月19日現在)となっております。
配当に関しては、リーマンショック後に10年間連続増配しております。
3月、6月、9月、12月に支払われ、現時点で1株当たりの年間配当は1.52ドル、配当利回り3.74 % (2020年1月19日現在) とそれなりの高配当となっております。
配当性向は、60 % から 120 % 程度で推移しており、直近では2019年第2四半期で累積63 %程度 (2019年6月30日)となっており、まだ増配の余地はありそうです。
ファイザー (PFE)の今後
公式ホームページのThird quarter 2019 earnings (per shareを除いてmillionで表示) を元にファイザーの今後に関して触れていきます。
以下に2019年、2018年第3四半期 (左)と2019年、2018年第3四半期までの連結決算 (右)を示します。
売上高は第3四半期連結で390億ドルと前年比で2%減少しております。しかしながら純利益は166億ドルと前年比で44%増加、EPSは2.92ドルで52%増加、Adjusted Diluted EPSも2.39ドルで5%の増加となっております。
実は減収はコンシューマー・ヘルスケア事業を英製薬会社のグラクソ・スミスクラインに買収したことに起因します。
今後は更に特許切れ医薬品部門のアップジョン (Upjohn)事業を切り離し、 世界第3位の後発医薬品メーカーであるマイランと結合する予定となっております。
バイオファーマシューティカルズ (Miopharmaceuticals)事業というのが元イノベーティブ・ヘルスケア事業のことで、新薬を取り扱う部門です。アップジョン事業を切り離した後はこちらがメインとなります。
以下に2019年第3四半期決算の事業ごとの売上高とその前年との比較を示します。
マイランと結合予定のアップジョン事業の売上高が80億ドルと前年の93億ドルから13%減少しており、グラクソ・スミスクラインに買収されたコンシューマー・ヘルスケア事業も売上高が20億ドルと前年の26億ドルから20%減少しております。
腫瘍 (Oncology)事業が65億ドルと前年の54億ドルから19%増加しており、その他事業も顕著な売上高減少はなさそうです。
薬剤別に見ると、内科 (Internal medicine)事業の抗凝固薬エリキュース (Eliquis)と腫瘍事業の抗がん剤イブランス (Ibrance)が好調のようですが、最も売上高の多いワクチン事業のプレベナー13 (Prevnar 13 / Prevenar 13)は前年比1%の減少となっております。
2019年で主力商品である鎮痛薬リリカ (Lyrica)が特許切れとなっております。
今の所目立った新薬などの話もありませんが、今後の動向に注目ですね。
ファイザー (PFE)は買いか?
予想PERは11.9倍となっております。
同業他社のジョンソン & ジョンソン (JNJ)は21.4倍、アッヴィ (ABBV)は14.74倍、マイラン (MYL)は21.3倍、ギリアド・サイエンス (GILD)は18.3倍ですのでファイザーの予想PERは割安であると言えます。
しかしながら、昨年のリリカの特許切れもありますし、目立った新薬の話がありませんので、投資は慎重に行いましょう。
ファイザー (PFE) の決算まとめ
2019年第4四半期・通期決算 (Q4・Full year financial results)
ファイザー (PFE)のまとめ
【世界経済を学ぶ】米国株ヘルスケアセクター高配当銘柄!大手製薬会社ファイザー【PFE】ということで、ファイザーに関してお話しさせて頂きました。
高配当とPERの低さは魅力的ですが、目立った新薬の話がないのが気になるところです。
今後の新薬の研究開発や企業買収に期待が懸かります。
1月28日に2019年第4四半期・通期決算発表予定ですのでまたお伝えします。
皆さんも投資を検討してみてはいかがでしょうか?
*記事中の図はSBI証券公式ホームページ、ファイザー公式ホームページを参照させていただきました。